1995 年よりFESN(far east skate network)としてスケートを題材とした映像作品を撮り続けてきた監督森田貴宏。ストイックなまでに徹底したカメラアングルと緻密な編集、そしてそれら全ての映像を彩る音楽。彼自身によるスケートパフォーマンスから巻き起こる発想は作品全体に無数のメッセージとしてバラまかれる。自身が主宰する FESNプロダクションの作品群は常にそういった表現でスケートを映し出す。その彼が95年から撮り続けてきたスケートビデオに対する現在までの集大成を、この度完成させました。その名も「overground broadcasting」。06年に発表された前作「underground broadcasting」の対となる今作のテーマはズバリ「世界」。森田自身が 2001年から約8年をかけて世界中のローカルスケートシーンをカメラとスケートを手に繋ぎ合わせた内容。パッケージも対となる作品「underground broadcasting」のパッケージをも収納出来るハードカバーケースを付属した逸品。2作品のコンセプトをはっきりと露呈させた外観はまさにスケートディクショナリー。95年から SUBWAY、東西南北、43-26といった国内スケートビデオの金字塔を次々に打立てたFESNプロダクション。日本のスケート業界を常 にリードしてきたFESNが次に狙うはまさしく「世界標準」。日本国内のスケートボードは海外から伝わったモノ。しかし時を経てこの狭い日本で人知れず進化を遂げたスケート技術と映像技術。ここに1つ、アンダーグラウンドから見たオーバーグラウンドの視点、すなわち FESNが作り込む成熟したスケートボードフィロソフィーは完成した。「日本から世界へ」新たなスケートボードの定義を作り出すべく努力を重ねた結晶がここに完成した。